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自動車教習所の指導員が毎年受講しなければならない法定講習の資料の一部を抜粋し紹介しています。
教習指導員だけでなく一般ドライバーの皆さんの今後の運転知識の参考になれば幸いです。


平成15年法定講習  安全運転の基本(W) 『交通ルールの再確認』



●はじめに●



 交通ルールに従った運転を行うことは安全運転の大原則です。
 運転者ならば交通ルールをよく知っているはずですが、果たしてそうでしょうか?改めてルールに関して根本から再確認してみましょ
う。



 交通ルールはなぜ必要なのでしょうか、ルールを守らなければならないのはなぜでしょうか?
 交通ルールは、交通社会が安全で、安心できる交通秩序を形成するために作られたものであり、それは合理的で、理にかなったもの
です。
 私たちが生活していくうえで不可欠なものです。
 「ルールを守れ」というだけでなく、どのように伝えれば運転者にルールを守ろうとする気持ちを起こさせることができるかについて考え
みましょう。
 ルールを厳格に守ろうとする心は、ルールについて深く認識し、守らなければならないものであると気づいた場合にはじめて可能とな
ります。






●1・ルールはなぜ必要なのでしょうか●



1・安全を確保するため


車を運転する時には、お互い相手がどのような行動をとるかがわかっていなければ、的確な対応は取れません。
例えば、車両は道路の左側を通ることが定められているので、皆が道路の左側を走ることで正面衝突が防止でき、うまくすれ
違うことができるのです。
また、赤信号の方向の車が停止するので青信号の方が安心して交差点を通行することができるのです。
皆が同じ判断をし、同じ行動をとることで安全が確保できます。




2・円滑で、気持ちよい交通社会を形成するため

全ての人がスムーズで、円滑な行動を取れるためには、各人がそれに必要な行動をとる必要があります。
すなわち、相互に相手のことを考えに入れて適切な行動をとらなければならなりません。
例えば、交差点の前方が混雑しているときに交差点に入り込んで停止してしまうと、その交差点の横方向の交通が麻痺してし
まいます。
交通ルールは皆が安全で、安心して生活できるための基本的行為のありかたを示したものです。
皆がそれを守ることで交通ルールの目的が達成できるので、ルールの目的・必要性を十分に認識することが重要です。






●2・交通ルールの基本理念●



1・日本の道路交通法の目的


道路交通法にはその目的が次のように書かれています。
道路交通法第1条 (目的)
『この法律は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資する
ことを目的とする。』



2・ドイツの道路交通規則の目的

道路交通規則 第1条 基本ルール
『1、道路交通に参加する場合には、たえず注意深くあり、相手に対しての配慮が必要である。
2、交通参加者は他人を傷つけたり、脅かす行動を決してとってはならないし、またやむを得ざる場合を除いては、他人を妨げ、
煩わすような行動を決してとってはいけない。』


日本の道路交通法は『危険防止、安全・円滑の確保、交通に起因する障害防止』を保障するための条件を明らかにしたもので
あるが、ドイツの交通規則は歩行者・運転者など『交通参加者』の基本的精神と行為を明確に示したものであるといえます。






●死亡事故に関連するルール違反●

違反別死亡事故件数
上位10項目(H13)

1 最高速度

1167

2 脇見違反

978

3 漫然運転

955

4 運転操作

659

5 安全不確認

553

6 歩行者妨害等

411

7 通行区分違反

391

8 信号無視

366

9 一時不停止

356

10 安全速度

298






●致死率の高い事故パターンの背後にあるルール違反●



致死率の高い事故パターン上位10項目(H13)

1 列車

39.6

2 追越時正面衝突

7.4
3 横断歩道付近横断中 6.7
4 分離帯 ・安全島衝突

6.5

5 路外逸脱

6.5

6 防護柵衝突

5.2

7 その他の工作物

5.0

8 その他横断中

3.9

9駐車車両衝突

3.5

10 その他の正面衝突

3.3

 死亡事故の絶対数が多い違反を犯さないようにしなければなりませんが、それと並んで死
亡につながりやすい事故、すなわち致死率の高い事故も起こしてはなりません。
 致死率とは事故が100件起こった場合、何件が死亡事故になっているかを示す値です。




1 列車事故(踏切事故)

 致死率が第1位の事故パターンとして列車が関連した交通事故があげられます。
 死亡事故につながる可能性は非常に高く、10件事故が起こると4件は死亡事故になって
しまいます。
 踏切の通過に関しては道路交通法第33条(踏切の通過)で定められています。




2 正面衝突

 第2位の事故パターンは「追越時正面衝突」です。
 対向車線に出て追い越しを行い、対向車と正面衝突を起こせば当然のことながら死亡事
故につながります。
 また、追い越しでない「その他の正面衝突」が第10位に入っています。
 追い越しに関するルールは道路交通法第28条〜第30条の規定に定められています。




3 横断歩道付近横断中及びその他横断中

 横断歩道付近横断中の歩行者をはねる事故が致死率6.7で第3位にあがっています。
 横断歩行者をはね死亡させている事故の6割近くは「その他横断中」であり、もっとも多い
件数です。
 道路の横断歩道横断中は第13位で致死率2.2であり、それと比較すると横断歩道付近
横断中の6.7は3倍の致死率ということになります。


横断歩道上に比べて横断歩道付近で致死率が高い理由として、
 (1) 横断歩道に対して運転者は注意するが、横断歩道の前後30mの横断歩道付近に
対してはそこを歩行者が横断するとは考えず注意していないこと。
 (2) 横断歩道付近では夜間に起こる死亡事故が昼間の2.4倍にも上っています。
 そこでは照明から外れて暗くなっていて歩行者が発見しにくいことが問題です。
 その他横断中も夜間が起こりやすく、同じく夜間が昼間の2.4倍であり、原因としては歩
行者を発見できなくて死亡事故を起こしている可能性があります。




4 単独車両事故

 第4位から第7位までの4項目は車両単独事故で死亡しているケースです。
 第4位は分離帯・安全島衝突ですが、道路中央の中央分離帯・安全島の突端やガードレ
ール、ガードロープなどの中央分離施設に衝突した場合などによるものですが、道路中央
にあるこれらに気づかずに衝突することは衝撃が大きく死亡の可能性も高くなります。

 第5位の路外逸脱は、道路上または路外の工作物に衝突することなく崖下へ転落したり、
空き地など道路外に飛び出した場合です。

 第6位の防護柵とは中央分離施設以外のガードレール、ガードロープなどの防護柵に突き
当たった場合をいいます。

 第7位のその他の工作物は電柱、標識、駒止め、家屋など路上・路外の工作物に衝突し
たものです。




5 駐車車両衝突

 これは運転者が乗っていない駐車している車に衝突して死亡したケースです。
自動車が68件、自動二輪13件、原付23件であり、他のパターンに比べて
 二輪・原付の占める比率が高いです。
 また、夜間は昼間の2.7倍と夜間に多く起きています。




6 その他の正面衝突

 追い越しで時ではない場合の正面衝突が第10位に入っています。
 カーブで570件(左カーブ385件、右カーブ185件)と直線で497件起こっています。
 左カーブでは右への遠心力の働きで対向車線に飛び出して正面衝突が起こったケースで
す。
 また、右カーブではショートカット走行で対向車線に入り込んで起こったケースです。
 直線での事故は右側通行してきた対向自転車との事故や自分自身が対向車線を走行し
ているケースです。

 カーブではカーブ進入時の速度を抑えること、ショートカット走行を行わないことを考えに入
れなければなりません。
「その他正面衝突」の
発生場所別構成比

カーブ

39.7

その他単路(直線路)

38.2

交差点内

15.1

交差点付近

5.8

「その他正面衝突」の
左右カーブでの構成比
左カーブ 60.7
右カーブ 39.3
上記に記載した道路交通法の詳しい条文は道路交通法で、ご覧いただけます。
道路交通法RONの六法全書 on LINEのサイトからリンクさせていただいております。






●おわりに●

道路交通法は安全運転をはじめ、円滑で安心な交通社会を形成するための行為規範を示したものです。
 いま一度、運転する人たちに分かりやすく交通ルールは絶対に守らなければならないものであることと、さらにそこに示された精神を
伝えていただきたいものです。





参考文献

社団法人 大阪自動車学校協会 発行  
平成15年 職員講習会資料   『交通ルールの再確認〜安全運転の基本(W)〜』

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